おひとり様が行く~南原・求礼10 「ミスター・サンシャイン」のロケ地 エシンの両親が眠る寺「泉隠寺」

南原・求礼

この日の弾丸日帰り旅は、もとはといえばドラマ「ミスター・サンシャイン」でエシンの両親が眠るお寺のシーンを初めて見た瞬間に「ここ、絶対行きたい!」と思ったのが始まりでした。

それで場所を調べてみると、求礼 (クレ) にある「泉隠寺 (チョヌンサ)」であることがわかり、釜山や大邱 (テグ) から行くよりもソウルからKTXで行く方が時間的には早いことがわかり、日帰りすることにしたんです。

で、わざわざ片道2時間半もかけて行くのだからどこか他にも行こうということで四聖庵に行くことにし、求礼に行く途中にどこか寄るところがないか調べていて、ドラマの中で済物浦駅として出てきた旧書道 (ソド) 駅が求礼の手前の南原 (ナムォン) にあることがわかり、せっかく南原に行くならと広寒楼苑に行くことにしたわけ。

このルートの決め方、かなり普通じゃないですよね?😛

前置きが長くなりましたが、スケジュールの都合上、この日のメインイベントである泉隠寺が最後の訪問地になりました。

泉隠寺へは求礼共用バスターミナルから1日6本バスがあります。郡内バスはT-moneyも使えるのですが、バスターミナルに着いて窓口をなんとなく見ていたら泉隠寺の表示があったので「切符はここで買うんですか?」と聞くと1,300ウォンとのことだったので、紙に行き先と値段が印刷されたチケットを購入しました。

バスに乗ってからわかったのは、求礼の人達、ほとんどこの紙ベースのチケットを利用していてT-moneyの利用率は10%もなかったです。

求礼共用バスターミナル

泉隠寺行きのバス乗り場は10番。

求礼共用バスターミナル

フロントガラスのところに「천은사 (泉隠寺)」の紙製行き先表示もあります。

バスは定刻どおり15時50分に発車しました。道中はほとんどバス停がなく道端に停まっていく感じ。車内に電光掲示の停留所案内が本来はあるようなのですが、私が行きに乗ったバスでは故障していて案内表示はありませんでした。

久しぶりにヤバい状況になったと思い、途中で運転手さんに「泉隠寺に着いたら教えてください」と頼んでおきました。実際、泉隠寺のバス停はなく、駐車場の隅に停まっただけでした。バスターミナルから所要20分ほどでした。

求礼共用バスターミナルまで帰るバスは最終のバスなので絶対に乗り遅れるわけにはいかず、そのため泉隠寺での見学時間は45分ほどしかありませんでした。なので、バス停を降りて急いで広い駐車場を通り抜け、お寺に向かいました。

求礼の泉隠寺

遠目に見覚えのあるお寺の入口が見えてきました。そう、ドラマの中で見た景色がいきなり現れたんです。

ドラマではお寺から出て行くシーンで使われていましたが、実際はお寺に入って行く方向です。

求礼の泉隠寺

これがお寺の入口。智異山泉隠寺と書かれているのが見えますね。

求礼の泉隠寺の垂紅楼

門をくぐって少し歩くと垂紅楼という橋にかかる楼閣が見えてきました。この角度からだと気付かなかったのですが、これが私がドラマで「どうしてもこの場所に行きたい!」と思った場所だったんです。

それがこのシーン。

この映像、無性に惹きつけられませんか? 多分、夕方に近い時間に撮影されたのではないかと思うのですが、橋や楼閣は陰になって本来の色が見えにくくなっているのに対して背景の緑は映えて見えて、しかも湖面にも映っていて、何とも言えない情緒的な雰囲気を醸し出しているでしょう?

それがこの橋と平行にあるもう1本の橋から見た垂紅楼の景色だったんです。

求礼の泉隠寺の垂紅楼

私が訪れたのもたまたま午後の遅い時間だったので、偶然雰囲気がちょっとだけ似た写真を撮ることができました。

この場所、全体を撮るとこんな感じです。

求礼の泉隠寺の垂紅楼

本当に何とも言えない風情のある場所ですよね? 私はマジでこの景色を見たいがために往復5時間かけて行ったんです。

ドラマで見たそのままの雰囲気でたたずんでいる楼閣がとっても美しくて、しばらくこの場所から動けませんでした。泉隠寺での限られた時間で、最悪ここさえ見られたら満足だと思っていた場所を最初に発見できた安堵感もあったし。

でも、ここはまだお寺の敷地内では入口の辺り。まだ残り時間はあったし、ロケ場所は他にもあるはずだったので、奥に進むことにしました。

続いて見えてきたのはこのシーンの場所。

トンメが、エシンが寺に来た理由を知りたくて訪れるというシーンでした。

求礼の泉隠寺の天王門

天王門という別の門のところで撮られています。

この門の内部には、上のシーンでもわかるとおり通路の両側に仏像が置かれています。

求礼の泉隠寺の四天王像

四天王像で、トンメの後ろに映っているこちらが北方多門天と西方広目天、

求礼の泉隠寺の四天王像

反対側には東方持国天と南方増長天がいらっしゃいます。

このシーンも天王門で撮られています。

求礼の泉隠寺の天王門

お寺の施設なので、やはり無修正で撮られたようですね。全く同じ景色です。

ドラマでは、トンメはこうして階段を上って天王門に来た形になっていますが、

求礼の泉隠寺

実際は天王門の先にこの階段があります。そしてさらに中に入って行くと

求礼の泉隠寺の極楽宝殿

このお寺で一番重要な建物、極楽宝殿があります。

求礼の泉隠寺の極楽宝殿

この建物は昨年国宝に指定されたそうです。お祝いの横断幕が掲げられていました。

求礼の泉隠寺の極楽宝殿

確かにこの細かな装飾、見事です。

求礼の泉隠寺の極楽宝殿

横から見ると、正面から見た時とはまるで別の建物を見ているかのように全く印象が異なります。こちらの方が建物の歴史を感じられますね。

泉隠寺にある「ミスター・サンシャイン」撮影地の看板

極楽宝殿の横にはここが「ミスター・サンシャイン」の撮影地だと示す看板が立てられていました。確かにここで撮られたシーンは結構長いです。

エシンの婚約者のヒソンとエシンの親戚たちがエシンの祖父の法要に来て起こる悲惨な出来事。

求礼の泉隠寺

ここから始まるシーンにはお寺の他の建物がたくさん映っているのですが、日本人としては見るに堪えがたいものがあり、あえてキャプを取りませんでした。

こちらはドラマとは関係ないですが、面白いものを見つけました。

求礼の泉隠寺の鐘楼

お寺にお魚? 何だろうと思いますよね。

求礼の泉隠寺の鐘楼

鐘をつくための撞木なんです。鐘楼に鐘と共に吊り下げられていました。

お寺の中はかなり広く、奥の方はテンプルステイができるようになっています。ただ宿泊客のみのアクセスとなっていて、中を見ることができませんでした。

垂紅楼以外は駆け足で見たのですが、思いのほか敷地が広くて入口からずいぶん奥へ来てしまったので、バス停まで戻る時間を考えて少し早めに切り上げました。バスを降りた時にバス停らしきものを見かけなかったので、どこでバスを待てばいいのかわからないのが気がかりだったし。

駐車場を突っ切って道路側に戻り、バスを降りた場所付近を少し歩き回ってみましたが、やはりバス停の目印になるようなものは見つけられませんでした。

私が乗るバスは最終バスでそれを逃すとソウルに帰れなくなるので、急にものすごく不安になってきて20分ぐらい道路脇に立って道の両側をずっと見張っていました。バスが目に入ったら体を張ってでも停めなきゃと思って。

そしたら、バスが行きと同じように駐車場に入って来てUターンして私が立っていた場所に来てくれました。なので、バス停の印は何もないけれど、行きに降りた時と同じ場所で待っていて正解だったのだと思います。

バスに乗り込んだ時「これでソウルに帰れる!」とどれだけ安堵したことか。

バスは行きと同様20分弱で共用ターミナルに到着。すぐにタクシーに乗り換え、求礼口駅へ向かいました。バスターミナルから駅に行くバスは40分おきぐらいにしかなく、私が乗る列車に間に合うバスはなかったんです。

求礼口駅

無事に駅に着いて、南原同様やっと駅舎を眺める余裕ができました。

求礼口は南原駅よりも扱いが低い?駅のようで、ソウルから麗水 (ヨス) 方面に行くKTX1日15本のうち、6本しか求礼口駅に停まりません。私が乗るのは最終の1本前の18時36分発。でもそれを逃すと21時台までKTXはないので、よほどのことがない限り予約した列車に乗りたかったんです。

求礼口駅

ソウル方面行きは5番ホームでした。KTXは帰りも定刻に到着。ほぼ満席でした。

乗ったらこの日1日の時間刻みのスケジュールを無事に終えられてホッとしたようで爆睡。ソウルまで2時間40分でしたが全く記憶がなく、あっという間でした。

※上記記載の列車やバスの時間は2019年のものです。行かれる際はご自身で最新の情報をお確かめください。

最後に、求礼で行った場所の位置関係がわかる地図と泉隠寺の情報を載せておきます。四聖庵については前々回の記事をご覧ください。

求礼の地図

泉隠寺 (チョヌンサ)|천은사
全羅南道求礼郡光義面老姑壇路209 (旧道路表記:求礼郡光義面放光里70)
コネストさんの地図 → 
公式ホームページ (韓国語表記のみ)↓

これで「ミスター・サンシャイン」のロケ地を巡る旅第3弾は終了です。全部で10ヶ所以上行きましたが、絶対に行きたかった安東 (アンドン) の晩休亭醴泉 (イェチョン) の草澗亭と今回の泉隠寺に行けて本当に嬉しかったです。

実は今年の春に、最後にもう1ヶ所だけ行ってこのドラマのロケ地巡りを終えようと思っていたのですが、コロナのおかげで行けませんでした。なので、来年以降、世の中が「ミスター・サンシャイン」のことなんてすっかり忘れた頃に訪問記を書くことになるかも。

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