おひとり様が行く~南原・求礼9 求礼で起きた忘れられない出来事

南原・求礼

四聖庵 (サソンアム) へは求礼口 (クレグ) 駅からタクシーで行きましたが、帰りは山の上で客待ちしているタクシーも流しのタクシーもないので、まずは麓の竹淵 (チュギョン) マウルと四聖庵を結ぶシャトルバスに乗って竹淵マウルまで行くことにしました。

インターネットにはバスは20分毎に来ると書いてありましたが、平日で人が少なかったせいか呼び出しベースになっていたようです。

たまたま私の前にシャトルバス乗り場に到着した韓国人の女性3人組が案内看板に書かれていた電話番号に電話をかけ、私に「今 (バスを) 呼びましたから」と親切に声をかけてくれました。助かったー。

バスは約5分後に来て、まずは竹淵マウルまで行きました。所要10分弱、料金は片道1,700ウォンでした。

(これは2019年の情報です。シャトルバスの麓側の乗り場は今年竹淵マウルから別の場所に変わったようです。行かれる方はご注意ください。)

私と一緒にバスに乗った韓国人の女性達はバスを降りてそのまま駐車場の方に歩いて行きました。

私はバス停を探すか、タクシーがあれば乗ろうと思っていたのですが、バスを降りてキョロキョロ辺りを見渡していたら、バスの運転手のお兄さん (クリスタルキングみたいな髪の毛とサングラスをしていた) が「どこへ行くの?」と声をかけてきたので、「バスターミナルに行きたいんです」と言うと、道端に座っていたおじいさんが「15時10分にバスがあるよ」と言ってくれたのでバスを待つことにしました。

20分待たないといけなかったけれどバスターミナルから次に乗る予定のバスには余裕で間に合うので、どこで時間をつぶすのも同じだと思って。

携帯をいじっていたら20分なんてあっという間で、気がつくとちょうど15時10分でした。

バスがいつ来てもいいようにT-moneyを握りしめ待っていたのですが、バスは来ません。すると、予定時刻よりも5分ちょっと過ぎてもバスが来ないことに気付いたさっきのおじいさんが、クリスタルキング風のお兄さんに (クリスタルキングがわからない方、失礼!) 何か話しかけていて、でも私はそれを村の人同士の会話だと思って全く聞いていませんでした。

そしたらまた声が聞こえてきて、応答する声が聞こえないなあと思っておじいさんの方を見てみると、なんとおじいさん、今度は私に話しかけているじゃないですか!

「へっ?」と思っていたら、おじいさん、私が理解していないのがわかったみたいで、もう一度言ってくれました。今度は私、おじいさんの言葉は理解できたのだけど意味がわからなくって。

だって、おじいさん、待機中の四聖庵行きのシャトルバスを指差して私に乗れって言っているんですもの。

私は状況が全く理解できなくて、ますます「へっ?? へっ???」って感じでオロオロしていたら、おじいさん、言葉を変えて言ってくれました。

「バスターミナルまで送ってあげるから乗って行きなさい」って。

えーっっっ、うそーーーーー!!!!!

私がかたまってしまっている間におじいさんから指示を受けたクリスタルキング風のお兄さんはさっさとシャトルバスに乗り込み、エンジンをかけて私が乗るのを待っています。

私、あまりの展開にビックリどころじゃなかったんだけど、バスはもうスタンバイOKになっていたのでご好意に甘えさせてもらうことにしました。そしてバスに乗り込む直前に、バスを手配してくれたおじいさん (もしかしたら村の長老さんだったのかも?) に何度もお礼を言って90度のおじぎをしてからバスに乗り込みました。

そこから共用バスターミナルまでは近いのかと思っていたら、多分15分近く走ったと思います。お兄さんはバスターミナルの向かい側の道沿いに車を停めてくれました。

求礼共用バスターミナル

私、最低でもバス代は払わなきゃと思って「いくらですか?」と聞いたら、お兄さん、いらないって。

「でも。。。」って言ったんだけど、笑顔でもう一度「いらないから」と言ってくれたので、これまたお言葉に甘えさせてもらうことにしました。

でも降りる時に「ご親切にしてくださって、本当に、本当に、ありがとうございました」と伝えて、そして何かの時にと念のために持って来ていたお酒のあてになる袋菓子をお礼に渡しました。

どなたかブロガーさんが、旅先で出会った人に渡すためにいつもちょっとしたお菓子を持ち歩いていると書かれていたのを読んで、私も「万が一」と思って、今回初めてバッグの中に2つお菓子を入れて持って来ていたんです。でも、まさかそれを使うことになるとは。

お金は絶対に受け取ろうとしなかったお兄さんも、私が「これ、ほんのお礼の気持ちです。お酒と一緒に食べたら美味しいですよ」と言って渡したら、ニッコリ微笑んですんなり受け取ってくれました。

実は南原 (ナムォン) でお世話になったタクシーの運転手さんにも小さいお菓子を渡しました。おじさん、とても喜んでくれて。でも大きい方の袋菓子はソウルへ帰る列車の中で食べることになるだろうと思っていたんです。まさか本当に両方とも使うことになるとは!

でも、持って来ていてよかったと心から思いました。どのブロガーさんだったか覚えていないのですが、貴重な情報を教えてくださり感謝しています

私が行った頃はちょうど韓国人の訪日キャンセルや不買運動の真っただ中で、今まで韓国で嫌な目に遭ったことがなかった私も今回は何かあるかもしれないと少しビビっていたのですが、やっぱり韓国の人、特に田舎の人は本当に親切。見知らぬ人を送り届けてくれるなんて、日本でも今どきまずないでしょ。

求礼に着いて四聖庵に行くタクシーではちょっと楽しくない目に遭って求礼のイメージが悪くなりかけていたけれど、この出来事でいっぺんに吹き飛びました。

求礼はとってもとってもいい所です!!!

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