ソウルにたくさんある市場のうち、広蔵市場(クァンジャンシジャン)や通仁市場(トンインシジャン)は、食べ歩きが楽しい市場として観光客に人気です。
芸能人が市場を紹介しているのをたまにTVのバラエティ番組などで見かけることも。
が、八百屋さんや肉屋さん、魚屋さんなどいろいろな食材を売るお店が集まっている、いわゆるフツーの市場も市内のあちこちにあります。
自分が子供の頃にあったそういう市場は日本では数少なくなってきているだけに、レトロな雰囲気が漂う市場で地元の人達が買い物している姿を見るのは懐かしくもあり、新鮮だったりもします。
そんな食材市場の中でも特に干物や海苔、昆布、煮干しやドライフルーツなど乾物に特化した市場が「中部市場(チュンブシジャン)」。
地下鉄2号線と5号線の乙支路四街(ウルチロサガ)駅から歩いて2分ほどと、まさにソウルのど真ん中にあります。
ソウル通の人達にはよく知られている市場だけどTVや雑誌で紹介されるのはまれ。
なので、日本人はあまり見かけません。
こちらが市場内の地図。

細かすぎて読めないでしょうが、黒字は全部お店の名前。
これだけでも大きな市場だということがわかるでしょう?
ずいぶん前に2度ほど行ったことがあるんですが、煮干し屋さんはこの一角、ドライフルーツはこの通りなど、品目によってお店がかたまっていることが多いんです。
同じようなものを売っているお店に何軒も並ばれると、何が違うのか、どこのお店がいいのか、判断しようがなく。
当時はお店の人に話しかける勇気もなく、結局何も買わずに帰っていました。
それが2年前、東海(トンヘ)に行った記念にと地元の小さな市場でお土産として適当に買っただし昆布でお味噌汁を作ったら、おうちのお味噌汁が一気に料亭のお味噌汁になったんです。
もう、あまりのお味の違いに家族みんなビックリ。
「韓国のだし昆布、すごい! だとしたら煮干しも美味しいかも!」ってことで、ソウルでだし昆布と煮干し調達のミッションが課せられ。
で、久しぶりに中部市場に行ってみたら、以前よりきれいで明るい感じになっていました。
まずは煮干し探しから。
どこのお店も煮干しのサイズが小さいのから大きいのまで10種類以上は扱っていて、基本的に大きくなるにつれてお値段もちょっとずつ上がっていく感じ。
事前に煮干しの名産地を調べてあって、韓国の一番下(南)の麗水(ヨス 여수)や南海(ナメ 남해)産のものを探そうとしたんだけど、どのお店も「国内産」としか書いてない。
「どこで獲れたの?」ってお店の人にいちいち聞かなきゃいけないのかなと思いつつ市場の中を歩いていたら見つけたんです、きちんと産地を表示しているお店を。
市場の1門から入ってメインストリートの奥の方にある「チュンブサンフェ(중부상회)」というお店。日本語で書いたら多分「中部商会」かな。

こちらのお店の煮干し売り場はこのとおり

産地とお値段がはっきり書かれているし、商品も自分の目で確認できます。
広い市場の中でもこんな風に産地表示をしっかりしているお店はほとんど見かけなかったので、私、これを見ただけでこのお店に好感が持てました。
1箱は1.5kg入りで、値札のお値段は1箱あたりの値段とのこと。
大きさもお値段もいろいろあって迷った末、いつもスーパーで買っている煮干しよりもちょっと安いけど、1匹あたり1.5倍ぐらいの大きさの南海産の1箱32,000ウォンのに決めました。
ここまで決める間、お店のお姉さんはあれこれ売り込むことなく、私が質問したことにだけ答えて、私が悩んでいる間辛抱強く待っていてくれました。
さすがに1箱買っちゃうと重いしかさばるので半箱だけ購入することに。
でもここで私、やらかしちゃったんです。
1箱のことをお店の人は「ハン バクス」と言っていました。
「ハン」は「1」のこと。「バクス」は英語のboxの韓国語読みです。
「半箱」の「半」は韓国語では「パン」。
半箱買うなら「パン バクス チュセヨ」って言わないといけないのに、私、日本語の「半(ハン)」とごっちゃになって「ハン バクス チュセヨ(1箱ください)」って言ってしまって。
で、お姉さんが1箱全部を袋に詰め始めたので、「ノー、ノー、ノー」
その時に自分が「半箱」じゃなくて「1箱」って言ってしまっていたことに気づいたんです。
でも、お姉さんは私の言い間違いに気づいてくれて、でも嫌な顔1つせず、半箱分だけに詰めなおしてくれました。
そして真空パックにした上、ラップで何重にもぐるぐる巻きに。

半箱750g分の真空パックで約20cm X 約30㎝の大きさになりました。
小さいスーツケースでも余裕で入る大きさです。
煮干しの実寸の参考になるかとこんな写真を撮ってみました。

楊枝のサイズって多分どれも同じだと思うので、興味がある方は一度ご自宅の煮干しのサイズと比べてみてください。
このサイズの南海産の煮干しが100g、2,133ウォン。レートにもよりますが、今なら225円ぐらい。
この煮干しで作ったお味噌汁、むっちゃ上品なお味で、具なしのスープにしても飲み干せるぐらいの美味しさでした。
煮出した後の煮干しでも普通に食べられるぐらい身もまだ残っていて、1回お出汁を取っただけで捨てるのがもったいないぐらい。
今まで使っていた煮干しとあまりにもレベルが違ったので、「これ、上等もんすぎるから次に買う時はこれより1段階安いのでいいよ」と言われました(笑)
これまでこのお店で3回煮干しを買いましたが、毎回お値段が変わります。
行くたびにお値段が上がっていくのなら物価高のせいなんでしょうが、全体的に微妙に安くなっていたこともあったので、獲れる量や獲れた魚の品質によってお値段が上下するのかなと思っています。
産地表示といい、お値段といい、私にはチュンブサンフェさんがとても誠実なお店のように思えて。
多分これからもずっとこのお店で買うと思います。
次にだし昆布。
だし昆布は見た目では違いがわからないので、産地を目安にしました。
釜山より少し北の機張(キジャン 기장)や南西部、全羅南道の莞島(ワンド 완도)産の昆布が高級品だそう。

これは機張のもの。
こんな風にパックになっているので、見かけたら片っ端から値段を聞いていきました。

最安値だったかどうかはわからないけど、応対してくれたおばちゃんが話しやすい感じだった「ポパイユトン(뽀빠이유통)」というお店で1万ウォンで購入。
多分500g入りだったと思います。
スーパーで売っている利尻昆布でも100gで2,000円ぐらいしているのに、500gで1,000円ちょっとですよ。コスパ良すぎ。
こちらのだし昆布も家族には好評だったのでリピートしています。
参考までにお店の場所を記した地図を載せておきます。

★印が煮干し屋さんの「チュンブサンフェ」、★印が昆布屋さんの「ポパイユトン」です。
地図で赤く囲んだ「1門」というのがメインストリートがある入口。
乙支路四街駅から歩いて行って下の写真で赤く囲んだ「1문(=1門)」という表示が目印。

最後に海苔。
私は海苔といっても油が塗ってあって塩味がついているいわゆる韓国海苔ではなく、焼き海苔の方が好きです。

何種類か食べてみて、去年からは上の海苔がお気に入り。
ただ、この海苔、中部市場の中でもお店によってお値段が全然違っていて、下手したら500円ぐらい違うことも。
それも、このお店がいつも一番安いというのがないので、毎回何軒かでお値段を聞いて一番安いお店で買うことにしています。
煮干しや昆布と違って、中身は全く同じなので関西人としてはついつい最安値に挑戦したくなっちゃうんですよね。
中部市場に通い慣れている人達の推しのお店に行ってみるのもよし。
1門から入ったところのメインストリート沿いは片言の日本語を話してくれるお店が結構あるので、試食をさせてもらいながら気に入ったら買ってみるのもよし。
とにかく安けりゃいいっていうのならスーパーでもっと安いのが売っているかもしれないけど、ある程度の品質の乾物を買いたいのなら、中部市場の方が間違いなくお得ですよ。

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