おひとり様が行く~安東8 ついに行けた! 安東河回マウル

安東・醴泉

晩休亭 (マニュジョン) から出発地点の教保生命バス停まで戻ったら (正確に言うと朝バスを乗ったのと道路の反対側にあるバス停)、今度は乗り継ぎ15分で246番バスに乗って河回 (ハフェ) マウルに向かいました。ちなみにこのバスは安東 (アンドン) ターミナルを通るので、安東ターミナルから河回マウルに直行することもできます。

教保生命バス停からは40分ぐらいで河回マウルバス停に到着。着いたのは正午前で、河回マウル内は食事をするところがないと聞いていたので、河回市場に何軒かあるレストランで適当に食べようと思って行ってみたら、ククスとかクッパとか普通は1人で注文できるものでもおひとり様はお断りか、2人前以上注文しないとダメだと数軒のお店で言われました。ここで1人で食事をした人のブログを読んだ記憶があったんだけど、私が行ったのは日曜、しかも思いっきりランチタイム。多分それでダメだったんだろうと思います。泣く泣くランチを諦めました。

河回マウル内にはシャトルバスと住民の車以外は入れなくなっているので、バスやタクシーで来ようが自家用車で来ようが全員シャトルバスに乗らなければなりません。

乗る前にまず河回マウルの入場券を買います。忘れてしまいそうと思うかもしれませんがご心配なく。シャトルバス自体は無料なのですが、乗る際に係員さんに入場券を見せないといけないので買い忘れはありません。実際システムを知らずに入場券なしで乗ろうとした人がいて、係員さんに止められていました。シャトルバスの乗車時間ははっきりと覚えていませんが、5分ぐらいだったと思います。

到着後まずは芙蓉台 (プヨンデ) 行きの舟の渡し場に直行。河回マウルに行くからには絶対芙蓉台に行きたかったんです。でも乗客が少ないと舟が出ないことが多いと聞いていたので、人が多い日曜なら舟が出る確率が高くなるかと思ってあえて日曜日に行くことにしたんです。

でも土手の上から舟渡し場を見ただけで舟の周りに人が全くいないことがわかったので、船頭さんがお昼を食べに行ったのかもと思い、先にマウル内を見て回ることにしました。

河回マウルでもらった日本語のパンフレットには主だった古宅を効率よく回れるように番号が振ってあるのですが、私は舟渡し場スタートというヘンなことをしてしまったので、そこから一番近いお宅から適当に歩いてみることにしました。

あの時「やたら人が反対方向から歩いて来るな」と思ったのは、私が順番どおりに歩いていなかったからだったんだと今これを書いていて気付きました。ハハ、協調性がない人間でスミマセン。

河回マウルの和敬堂
河回マウルの北村幽居

で、まず最初に行ったのが和敬堂と、同じ敷地内にある北村幽居。

ここが一番近かったから行ってみたのですが、多分こちらのお宅が河回マウルで一番大きかったような気がします。とにかくいきなりとても立派な建物が現れたのでビックリしました。こちらは北村宅とも呼ばれているそうで、あのヨン様が泊まったことがあるとか。

北村宅を出て少し歩くと、通りの一角に人がかたまっているのを発見。何かあるのかと思って見に行くと、みなさんそこで順番に写真を撮っていたのでした。それがここ。

河回マウル

三神堂へ向かう小路です。まさに500年?600年?前にタイムスリップしたみたいな景色。この道の真ん中に立って写真を撮りたくなる気持ち、わかります。私は順番を待ってこの写真を撮った後、奥に進んで行きました。

そして現れたのが

河回マウルの三神堂のご神木

三神堂のご神木。樹齢約600年だそうです。日本でも時々ご神木を見かけますが、よそ者にはただの木にしか見えないってことがよくありますよね。でも、この木はよそ者どころか他国の者の私にも神聖なものだということが見た瞬間にわかりました。

願い事が書かれた白い紙きれがたくさん結ばれているからこれを見ただけで日本人にはご神木なのが一目瞭然でしょうが、これがなかったとしてもご神木だとわかった自信があります。とにかく圧倒的な存在感とその場の空気感が違いました。

ご神木の周りをゆっくり一周しているうちに人がいなくなり、そしたらご神木のパワーを一気に浴びているかのようになんだか気圧されてしまって、ぼーっとご神木を見上げていました。

しばらくして女性2人が近づいてくるのが視線に入ってきたことで我に返り、さっきの小道を邪魔にならないように撮影の合間に小走りで通り抜けて、元の道に戻りました。

そして続きを歩き始めたら、すぐに面白いものを見つけました。

河回マウルにあった消化栓

これ、消火栓なんですが、やはりここは世界遺産ということで周りの景観との調和を考えてこんなレトロな保管庫を作ったのでしょう。安東のあちこちで見かけるお面、ハフェタルのイラストがついています。家にハフェタルを飾ると福が来ると言われているんですって。

ハフェタルはこんなところにも。

河回マウルにあったハフェタル

通りを進んで行くと次に現れたのはこちら。

河回マウルの養真堂

養真堂。河回マウルは豊山柳氏発祥の地で、今でも村内は半分以上のお宅が柳 (リュ) さんなのだとか。ここはその柳家の大宗宅 (大本家みたいなもの?) で河回マウルで一番古い建物だそうです。すごいお宅だなあと思ってこの写真を撮ってみたら、なんと家ではなく家の門でした。ひぇっ。

河回マウルの養真堂の指定宝物碑

このとおり、宝物第306号に指定されているほどのお宅です。

河回マウルの養真堂

こちらが門をくぐった中にあるお宅。写りこんでいる人のうちオレンジの服の女性と黒のリュックの男性は大人です。この人達と比べればこのお宅がどれほど大きいかがわかるでしょう?

続いてこちらが河回マウル内のもう1つの宝物である忠孝堂の表門です。

河回マウルの忠孝堂

旅行記を書くために写真を整理していたら、やたらと門の写真が出てきました。自分では全く意識していなかったのですが、もしかしたら私、門フェチなのかも? 河回マウル以外の場所でも結構門の写真があるんですよね🤗

でも、この門、イイ感じでしょう? 実はこの門のクリーンな写真が撮りたくて人がいなくなるのをしばらく待ってみたのですが、いなくならないから諦めて裏から忠孝堂の中に入って見学。帰り際に再トライしたぐらいこの門に執着していました。

私、ヘン? でも結局これが精一杯。だって、ここ、ひっきりなしに人が出入りするんですもの。

で、裏に回ってまず撮ったのがトーゼン、裏門!

河回マウルの忠孝堂

小門の中に忠孝堂の建物がちらっと見えるのって萌えません?(すみません、ちょっとおかしな世界に入ってきました)

河回マウルの忠孝堂

そしてこちらが門をくぐって忠孝堂を裏から撮った写真。さすが宝物、裏から撮っても絵になります。そして裏に回ったことで思わぬものが目に入ってきました。

河回マウルの永慕閣

河回マウルにこんなカラフルな建物があるなんて。ビックリしました。こちらは永慕閣という、柳氏に関する文献や遺物が保管されている展示館だそうです。

写真だけ撮って忠孝堂に戻りました。

河回マウルの忠孝堂

で、忠孝堂の中で撮ったのがこの中途半端な写真のみ。とほほ。この建物と正門の間にあまり距離がなくて建物全体が撮れなかったんです。

その後、上の2つの宝物よりももしかしたら有名かもしれないお宅を見に行きました。

河回マウルの澹然斎

澹然斎という名前がついているお宅。ビョンホンssiのドラマ「美しき日々」に出ていた歌手のリュ・シウォンさんのご実家です。門の近くの壁にはこんな穴があります。

河回マウルの澹然斎

これは昔、貧しい人が食べ物に困らないようにと、この穴の中に手を突っ込んで中の穀物を持って帰れるようにするためのものだったそうです。欲張ってたくさん持って帰らないよう、穴は片手しか入らない大きさにしてあるんですって。

主な古宅を回り終えて舟渡し場の方に向かって歩いていたら、こんなかっこいい建物を見つけました。

河回マウルの遠志精舎

遠志精舎という名前の楼閣です。ここに上がると洛東江 (ナクトンガン) が見えるそうです。地面からはさすがに川は見えませんでしたが、楼閣の向こうに芙蓉台が見えます。

パンフレットに名前と番号が振ってあるこのような建物はもちろん見応えがあるのですが、私は人のいない狭い小路を歩く方が朝鮮時代にタイムスリップした気分になれて好きでした。

河回マウル

こちらは普通の民家。今でも住んでいる方がいらっしゃるようです。

河回マウル
河回マウル

村内を歩いていると入口に「民泊」と書かれた古宅がいくつかありました。

河回マウルの民泊

こちらがその1つ。個人のお宅は中がどうなっているか見ることはできませんが、ここに泊まれば一晩たっぷり朝鮮時代の雰囲気に浸れそうですね。

洛東江沿いの土手の桜は終わったところだったけれど、村内はちょうど牡丹桜や他のお花が満開できれいでした。

河回マウルで咲いていた牡丹桜
河回マウルで咲いていた花

花の季節な上に日曜だったこともあり、村内は家族連れの韓国人がほとんどでした。日本人には1人も会わなかったし、外国人もほぼ見ませんでした。それだけに、途中で見かけたインド人の女性が「インドサラミ イムニダ」とハングルで話しているのが聞こえてきた時は面白かったです。

「ミスター・サンシャイン」でもアメリカ人やフランス人がハングルを話すシーンがありましたが、なんだかクスッと笑えます。たどたどしくハングルをしゃべっている私もきっと同じように笑われているんでしょうね。

長くなったので続きは次回に。

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