私が韓流にハマり出したのは2010年。ヨンさまを筆頭に韓流四天王が大人気だった第一次韓流ブームは終わった後でした。
そこから「チャングム」とか「美しき日々」とか人気のあったドラマをできるだけ遡って見たけれど、2000年代始めあたりのドラマは再放送さえ終わっていていまだに見ることができていないドラマがたくさんあります。まして1990年代のドラマなんて、今やテレビはもちろん有料配信サービスでさえ見ることがほぼ不可能ですよね。
韓流ブーム初期の頃からハマっていた方々で「砂時計」というドラマを知らない方は多分いないと思います。1995年放送で平均視聴率46%、最高視聴率64.5%という驚異的な数字をたたき出したドラマです。放送日の夜には街中から人がいなくなったそう。
私の記憶にある”街中から人がいなくなった”ドラマは「東京ラブストーリー」。当時、月曜の夜はみんなどこにも寄らずに帰宅したものでしたが、あのドラマでさえ最高視聴率は32.3%。
今ググってみたら、日本のドラマの歴代最高視聴率は「積み木くずし」の最終回の45.3%だそうです。「砂時計」はまさに国民的ドラマだったことがよくわかりますね。
大好きな俳優さんの1人イ・ジョンジェssiが新人演技賞を取り出世作となったのがこの「砂時計」で、それもあってこのドラマをいつか見たいとずーっと思っていました。でも機会がなく、でも諦められず、画面が今のTVのサイズよりも小さくなることも、画質が粗くて見にくいことも承知でついにDVDを購入。ステイ・ホーム期間を利用して1週間で一気に視聴しました。
ストーリーは1970年代後半から10年間にわたる、金と権力にまつわる政界、財界、暴力団の癒着と抗争を、学生時代の友人3人の人生の歩みとからめたフィクションなのですが、朴大統領暗殺事件や光州事件といった現実の出来事を当時の報道映像を使ってストーリーの中に描き込んでいるので、ドラマの重厚感がハンパじゃなかったです。
朴大統領暗殺事件については今年1月に韓国で封切りされたビョンホンssiの映画「KCIA 南山の部長たち」がまさにこの暗殺までの40日間を描いた話で学んだところだったし、光州事件については2017年の大ヒット映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」を通して多少知っていたし、これまでの韓流生活で培った知識のおかげで「砂時計」の時代背景は理解することができました。
メインの登場人物である男女3人が学生時代の友人同士から、1人は法の番人である検事に、1人は金と権力をめぐる汚れ仕事を一手に引き受ける暴力団の組長に、そして女は金で政界とつながった企業家の父の後継者へ進んでいくという、最初から十分すぎるぐらい悲劇が想像される関係。
日本でいえば、「愛と誠」か、はたまた「仁義なき戦い」、みたいな世界観かな? ←おっと、これで年齢がバレた? でも言い訳じゃないですが、私、どちらのドラマも実は見ていない世代です、ギリですけど🤭
昔のドラマのストーリーってわかりやすかったですね。細かい部分はともかく、ストーリーが進む方向は大ざっぱにわかりながら見る感じ。25年前に作られたこのドラマを見て、最近のドラマの作りとの違いをすごく感じました。
昔は特に、いわゆる「無駄な」シーンが多かった。ただ窓辺で外をずっと眺めているとか、部屋でタバコを吸っているだけのシーンを10秒以上続けたり、で、その間、何のセリフもなく、物憂げな雰囲気の音楽がずっと流れている、みたいな。
でも久しぶりにそういう「無駄な」シーンを見ると、レトロ感たっぷりでかえって新鮮だし、その映像を見ている間、その映っている人がどんな思いでいるのか、気が付くと考えたりしちゃっているんですよね。そのシーンの余韻に浸る時間をあえて作ってくれている感じ。
今どきのドラマって展開が早いし、セリフのテンポもすごいから、集中して見ていないとドラマについていけなくなっちゃう。「無駄な」シーンが多かった昔のドラマって実は贅沢なつくりだったんだなって思いました。
それともう1つ感じたのはセリフの重さ。今、どこかのドラマで「おまえのためなら死ねる」なんてセリフを聞いたら、「何、クサいセリフを言ってんのよ!」って鼻で笑ってしまいません? でも、「砂時計」でチェ・ミンスさんがこのセリフを言うのを見たら、「ク~~~ッ、かっこいィ~~~」ってマジで思ってしまいました。
セリフが全然浮いていないんです。何なんだろうなあ、この違い。時代背景のせいなのかな。
あと、25年の歳月を感じたのは役者さんの変わりよう。最初にこの人を見た時、誰だかわからなかったですもん。
これ、チェ・ミンスのおじさまですよ。
私は「シンイー信義ー」「ペク・ドンス」「ロードナンバーワン」での姿を見ていて、実は結構好きなんですけど、それでも第1話の半分ぐらいまで誰だかわからずに見ていて、わかった後もしばらく信じられませんでした。だってイメージが違いすぎるんですもの。
この姿、青春スターそのものでしょ? チェ・ミンスの”おじさま”がですよ。
でも、しばらく見ていて、誰かに似ているなあと思い始めました。で、行きついた結論がこちら。
若い頃のビョンホンssi。このキャプは「オールイン」のものなんですけど、雰囲気似てません? これを見て、私、なんでチェ・ミンスのおじさまがなんとなく好きなのかに妙に納得してしまいました。
ちなみに最近のお姿がこちら。2017年のドラマ「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に出演されていた時です。いやー、25年経つとこんなに変わるものなんですね。
続いて検事役をしていたパク・サンウォンさん。
この方は最近では2014年のドラマ「ヒーラー」に出演されているのを見ていて、面影があるのですぐにわかりました。
でも2016年のドラマ「いとしのクム・サウォル」ではこんな感じ。だいぶお肉がついてきていますね。
そして我らがジョンジェssi。
この時はまだ23歳。初々しいですね。
ジョンジェssiはこれより前に出演したドラマを見ているので、特に驚きはなかったです。でも、このドラマでジョンジェssiが演じた、寡黙だけどお嬢様を命がけで守ったジェヒという役にはシビレました。
こちらはちょっと古いですが、やはりヤクザ (ワケありだったけど) 役を演じた2012年の映画「新しき世界」の時のもの。25年の時を経てオーラと貫禄が身に着いた感じ、だと思いません?
話はちょっと脱線しますが、チャン・ドンゴンさん主演の2012年の大ヒットドラマ「紳士の品格」で毎話本編が始まる前にプロローグがあったのを覚えていますか? そこで出てくる小ネタが実は本編よりも好きだったのですが、第14話のプロローグのテーマがこのドラマ「砂時計」でした。
3人が最終回を見た後にラストシーンのチェ・ミンスさんとパク・サンウォンさんの物まねをして盛り上がるという話だったのですが、私がこのドラマを見た2014年当時は「砂時計」というドラマの名前だけしか知らなかったにもかかわらず、3人の盛り上がり方がすごくって強烈に印象に残ったんです。あれからもう6年も経ったんだなあと、これを書きながらふと思い出しました。
長年見たかった「砂時計」、内容がとても濃くて、さすが往年の名作と言われるだけのドラマだと思いました。わがまま採点は
点。25年前のドラマでもいい作品はいいんです。1990年代のドラマ、他にもいい作品はたくさんあると思います。どこかで復活放送してもらえないかしら。
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