雪岳山(ソラクサン)から束草(ソクチョ)市内に向かうバスの中で30分ちょっと休憩し、ケッペイック(갯배입구、ケッペ入口)というバス停でバスを降りました。
私が束草に行った一番の目的「アバイ村でアバイスンデを食べる」ためです。
アバイ村は小さな島みたいなところにあって、車の往来用に立派な橋がかかっているけれど、人が渡るだけならケッペという渡し舟が便利。
渡し舟といっても、上の写真のとおりすごく小さくて人力で動かすんです。それも漕ぐのではなく、対岸との間にロープが渡されていて、そのロープを船頭さんや乗客が引っ張って動かすんです。

舟の中から写真を撮るといかにも海の中にいるようですが、乗っている時間は5分もありません。あっという間にアバイ村に到着です。
ちなみにケッペの乗船料は片道500ウォン(2025年3月現在)。
舟に乗って対岸に着いたところで係員さんから券売機でチケットを買うように促され、片道または往復のチケットを買って係員さんに渡せばOK。
アバイ村の中は通りの両側が全部スンデ屋さんと言ってもいいぐらいハンパないほどのお店があります。

スンデ好きとしては、せっかく行くからには間違いなく美味しいお店で食べたい。
ということで、いつものNaverとkakao mapの検索で事前に選んだお店が「シンポ2代 イェンナル食堂」。

お店の表にはSBSやTV朝鮮で紹介されたという表示があるし店内の壁も誰かはわからないけれどサインでいっぱい。
着いたのは14時半前だったのでランチタイムはとっくに過ぎていて、お客さんはゼロ。
1人ならスンデグッを頼むのが普通だろうけれど、スンデの本場に来たからにはスンデを食べたい!と、大中小あるアバイスンデの盛り合わせから小を注文。
多分2人前だったよう。
一旦厨房に行きかけたおばちゃんはふと立ち止まって「日本人ですよね? イカスンデ(オジンオスンデ)の方じゃなくて大丈夫?」とわざわざ確認してくれました。
日本人がスンデをあまり好まないのを知っていたよう。
私はちょっと変わった日本人なので、笑って「スンデ、好きです!」と一言。
おばちゃんは安心して注文を通してくれました。
スンデを含め全部いっぺんに運ばれてきました。

スンデだけでこれだけあるのに、ここでもまたパンチャンがこれでもか、というぐらいついてきて。

わかめスープもついてきました。

しかも、このゴマの入ったボウルはサービスとのこと。

どうやって食べるのかわからなくて聞いてみたら、イカのコチュジャン和え(下の写真の赤いお皿)を混ぜて食べたらいいと教えてくれました。

そして、スンデはエゴマの葉で巻いて食べてね、とも。
このスンデのエゴマの葉巻き、もちろんこんな食べ方は初めてでしたが超美味。
スンデはお肉以外に、春雨、何かわからないけれど葉野菜と人参のみじん切り、そしてご飯も少しだけ入っていました。
そのためか、モチモチしていてスンデ特有のにおいは皆無。誰でも食べられると思うんだけどな。
スンデ自体にはほとんど味がついていなかったので、エゴマの葉で巻いて食べ、巻いて食べしていたら、15個あったスンデ、完食しちゃいました。
山登りの後でなかったら絶対に食べきれなかったと思います。
雪岳山で余計なものを食べずにアバイ村まで我慢した甲斐がありました。
あと、スンデのお皿の上の方についている赤いものはお魚のコチュジャン和えなんですが、お子ちゃま向けぐらいの甘さでいい感じ。
でもこの魚が何かわからなくて。
多分一夜干しか、しめ鯖っぽくしてあったか、とにかく生魚ではなかったです。もしかしたら鱈だったかも?
ホント、魚の名前、全然知らなくて情けない。
黒ゴマが入った白いソースの中身はレンコンでした。これはあっさりしていて食べやすかったです。
あと、よくある玉ねぎの酢漬けは最後の口直しに。
そして、サービスで出してくれたボウルは、言われたとおりイカのコチュジャン和えとピビンしたらむっちゃ美味しくて。

ゴマ油も入っていたしホントにピビンバ状態で、危うくスンデを後回しにして食べそうになったほど。
結局スンデ以外は完食とまではいかなかったですが、1.8人分ぐらいは食べきりました。
このお店、オススメです。

お店を出て村の中を軽く一回りした後、本土側?に戻ろうとケッペ乗り場に戻って来たら、これが目に入りました。

アバイ村に行った人がほぼ100%撮っているこの景色。
20年以上前に放映されたドラマ「秋の童話」のロケ風景の銅像。
右の2人はこの方々。

そう、若かりし頃のソン・スンホンさんとソン・ヘギョさん。
この看板がなきゃ誰だか絶対わからないですよね。似ていなさすぎて気の毒。
私もこのドラマを見た記憶がありますが、覚えているのはウォンビンさんの素敵な姿のみ。
これがアバイ村側から見た対岸の風景。

ケッペが対岸を出発した時からこちらに着くまで、肉眼で余裕で見られるぐらいの距離です。
ケッペは市民の足らしく、平日の昼間だったのに往復とも20人ぐらいの人と自転車が乗っていました。
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