「いとしのソヨン」は青汁みたいなドラマ

韓国☆エンタメ

2013年の最高視聴率ドラマ「いとしのソヨン」をやっと見ることができました。最終回の視聴率がなんと47.6%もあったお化けドラマで、イ・サンユンさんとイ・ボヨンさんというどちらも大好きな俳優さんが主演していた作品だし、イ・サンユンさんに「国民の婿」という代名詞がつくきっかけになったドラマだということもあって、ずっと見たいと思っていたんです。

ドラマ「いとしのソヨン」のポスター

イ・ボヨンさん演じる主人公のソヨンは父親の莫大な借金返済のため、母親と共に学生時代からアルバイトを掛け持ちし、弟を医大に進学させるため高校を休学してまで家計を支え続けたがんばり屋さん。決して弱音を吐くことはなかったけれど、それは強さのためではなくプライドが許さなかったから。

一方、イ・サンユンさん演じるウジェは会社経営の父を持つ裕福な家庭で育ったおぼっちゃんなんだけど、金持ちぶったところが全くなく曲がったことが大嫌いな誠実な好青年。ウジェがソヨンに惚れ込み猛烈アタックで求婚し、それを断りきれなくなったソヨンはとんでもない嘘をついて結婚し・・・。と、こんな感じでソヨン家、ウジェ家ともう1家族が複雑にからんだストーリーが展開していきます。

ストーリー自体は韓国ドラマとしては特に珍しくもないのですが、このドラマの脚本家さん、サディストかと思うほど1つ1つの描写が超エグイんです。ソヨンの歩んできた人生は見ているこっちがしんどくなるぐらい悲惨に描かれるし、セリフは聞いていられないぐらい辛辣だし😧

だけど、「それ、心ある人の言う言葉なの?」って思うぐらいひどいことを言っていても、ソヨンの苦労を知っている(つもりになっている🤭)とソヨンを責めることはできないって思う一方、その言葉を浴びせられた相手の心情を思うと「うわっ、こんなこと言われたら耐えられないよね💦」なんて、どちらの立場も見せられているこっちは板挟みのようになり、本当に胸が痛くなることが何度もありました。

それに、例えばAとBが一緒にいるところをCは見てはいけないのに、想像しうる最悪の場所で究極に最悪の形で3人が会ったりして、「この脚本家さん、どれだけ性格悪いの!」って何度思ったことか😛

全50話中の30話ぐらいまでこんな風に見るのが辛い展開が続き、毎回悲惨な展開を想像して大きなため息をついてから見ていました。「そんなにしんどかったら見なけりゃいいじゃん」って思うかもしれませんが、あまりにいたぶられすぎて、救いがあるまでは止められない状態になっていました。

昔、青汁のCMでこんなのがあったでしょう?

「あーまずい。もう1杯!」

ってやつ。まずいけれどやめられない、まずいけれどがんばる、みたいな。

このドラマを見ていてこのセリフを思い出しました。私の心境、まさにこんな感じだったんです。

このドラマではソヨンだけでなく何人もの人が嘘をつきます。それも悪意がない嘘がほとんどです。だけど、たとえ深く考えずについた小さな嘘であってもその対価はどれほど大きく恐ろしいものになるか、ということをこのドラマは教えてくれます。

また、最後まで見ると、裏切ったり裏切られたりしても人を信じることは大切だということや、人間は1人で生きていくことはできないから周りにいる人を大事にしなきゃいけないといったこともメッセージとして投げかけられているような気がしました。

前半の展開が強烈すぎて慣れてしまったからか、それに疲れてしまったからか、後半はとても楽なヒーリングの時間のようで、最終回はとても清々しい気分で見ることができました。

全50話と現代ドラマとしてはかなり長めですが、中だるみすることはなく、メッセージ性の強い良くできたヒューマンドラマだと思いました。なので、わがまま採点は4.0点です。

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