映像と音楽が美しいドラマ「空港に行く道」

韓国☆エンタメ

2016年のドラマ「空港に行く道」、テレビ編集版で視聴終了しました。

「空港に行く道」ポスター

ストーリーを一言で表すと、「互いに子供がいる既婚の男女が偶然出会い、ダブル不倫の結果どうなったか?」

韓国ドラマでダブル不倫といえば、妻と愛人が怒鳴りあって、髪の毛を引っつかんで取っ組み合いのけんかをして・・・なんて修羅場が容易に想像できると思います。が、このドラマ、そんなドロドロドラマが大好きな方には気の毒なぐらい静かに進行していきます。時々、主人公の2人が不倫関係なのを忘れてしまうぐらい。

多分それはドラマの撮り方というか演出のせいなんじゃないかと思います。このドラマ、とにかく映像、特に風景がとても綺麗に撮られています。伝統家屋、済州島の自然、仁川空港につながる橋、そしてソウルのど真ん中でさえ、こんなきれいな景色のところがあるんだと驚くほど美しく映し出されています。そして、その風景が単なるドラマの背景だけでなく、1つ1つの場所に意味があり、人間が登場せずせりふもない景色だけのシーンでも、その風景が映し出されただけで主人公2人それぞれの感情を景色が語りかけてくるような、それぐらい重要な役割を担っています。

また、ドラマで流れる音楽も素敵です。ヴォーカルが入る曲は感情を煽るようなものではなく、例えば昼間カフェで流れていそうな、都会的でちょっとアンニュイな感じ。人と話していたり1人で仕事をしていても気にならない程度の静かな曲が多く、反対にインストルメンタル、特にピアノがメインで使われている曲は感情を掻き立てるような抒情的なメロディが多く使われていて、1話見た後2日間ほどはピアノの旋律が頭の中でずっとリフレインされていて、それが消えたと思ったらまた次の1話で聴いて、が続いた数週間でした。

去年「エンジェルアイズ」を見て、イ・サンユンさんの究極にピュアな笑顔にハマってしまい、このドラマは私にとって彼が出ている2作目のドラマでした。「エンジェルアイズ」は純愛ドラマなのでそのピュアさがピッタリだったのですが、今回は不倫ドラマ。どういう役柄でどういった姿で出てくるのかということにも興味がありました。が、このドラマの主人公ソ・ドウを演じているイ・サンユンさんはとても罪深いです。あのピュアさそのままで、もうフツーに素直に自分の気持ちを言っちゃうんですから、不倫なのに。あれはズルイです。

また、お洋服も建築学の講師という仕事柄、スーツとかパリッとした服ではなく、エンジとかカーキとかベージュとかのカットソーだったりセーターだったり、とにかくものすごく地味な服装ばかりなのですが、それがまた憎いほどよく似合っているんです。あの顔であの姿で素朴に「好きだ」と言われたら、いくら既婚者といえども心が揺れない女性はいないですよ。やっぱりズルイです。でもますますイ・サンユンさんのファンになりました。

相手役のキム・ハヌルさんも透明感のある女優さんで、だからこそ不倫に陥る妻というイメージとは程遠いところが、かえって「こんな人でもこんなことしちゃうんだ」的なギャップがあって、役柄にピッタリだと思いました。

このドラマ、見る人の立場によって受け取り方は違ってくるでしょうし、見終わって「やっぱり」なのか「そうきたか」なのか、「よかった」なのか「それはちがうだろ」なのか、人それぞれだと思いますが、私は不倫ドラマというよりは大人の恋愛ドラマと位置づけたいです。

余談ですが、このドラマ、ちょっと詰めが甘いところもあって、例えば車から降りて家の中に入ったら着ていた服の色が変わっていて、小一時間お茶を飲んで (それ以上のことは絶対にしてない!)、また車に戻ったら服が元に戻っていたとか、「今から急いでソウルに行く」と言って済州島の家から車で空港に向かって、夕方ソウルに現れたら済州島で乗っていた車を運転していた (フェリーで本土に渡ったの?) とか、たまに突っ込んでしまう場面もありました。

こういうこと、ドラマでは時々あるようなんですが、私は普段ボーっと見ている方なので今まで気づいたことがなかったんです。それに気付いた、いや、気付けた時、どれだけ真剣に見てるん!と我ながら突っ込んでしまいました。それぐらいとてもハマったドラマでした。

テレビ編集版はオリジナルよりもだいぶカットされているのは間違いないので、DVDを買ってもう一度見直すつもりです。そして、龍仁にあるらしい伝統家屋、ドウの事務所があった梨泰院裏の経理団の辺り、はたまた済州島といったロケ地にもいつか行ってみたくなりました。ということで、わがまま採点は「エンジェルアイズ」よりちょい上の4.4点。

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