みなさん、ソウルに「南山(ナムサン)コル韓屋村」という観光スポットがあるのをご存じですか?
北村(プッチョン)韓屋村はむっちゃ有名で、行ったことがある人も多いと思います。私もソウル通い3年目で行きました。
多分その頃から南山コル韓屋村という場所があるのは知っていたのですが、ツアーの市内観光にも入っていないし、行った人の話もあまり聞いたことがなく、はっきり言って全く興味がありませんでした。
それが年老いた母とソウルに行くことになり、韓国ドラマでも時代劇しか見ない母に本物の韓屋を見せてあげたいと思ったのですが、北村韓屋村は駅から離れているし、タクシーで行っても結局坂道を歩かなきゃいけなくなるし、お宅の中は見られないでしょう?
大長今パークや韓国民俗村はソウルから離れているから、年寄りを連れて行くのはしんどいし。
そこでふと思い出したのが南山コル韓屋村。
明洞の隣の忠武路(チュンムロ)駅の近くだし、それほど広くなさそうだし。
これが大正解だったんです!
当日はタクシーで行ったのですが、大通りから中に少し入った入口の前で降ろしてくれたから、楽々入場。
ここ、そもそも入場無料な上に、このとおり
景福宮みたいに無料の日本語解説があるんです。
私達は火曜日の朝10時30分からの解説をめがけて行ったのですが、どこで待っていればいいのかわからず、この看板の奥にある管理事務所に聞きに行きました。
すると、受付簿みたいなものに名前を書いて看板の前で待っているように言われました。
すると、10時30分になったら管理事務所から年配の男性が出てきてくれて(受付の方とは別の方でした)案内スタート。
お客さんは私達だけだったのでプライベートガイド状態。ラッキーでした。
退役軍人のガイドさんは空軍時代に日本語を独学で勉強されたそうで、「それほどできないんですが」とおっしゃっていましたが、歴史や文化、建築物に関する専門用語もスラスラと話されるので驚きました。
こちらは入口から一番近くにある泉雨閣という建物。
ドラマだと両班達が座って横に女性をはべらせながら宴会をしているシーンに出てきそうな建物。こちらは上がって中から外を眺めることもできます。
ここを通り過ぎて奥の方に進んで行くと、
このとおり、朝鮮時代の建物が目の前に。こちらの建物は朝鮮末期のもので別の場所にあったものを移築してきたそう。
案内看板がなかったら、朝鮮時代そのものでしょう?
石段を登り門をくぐって中に入ってみると
同じく移築されてきた韓屋が数軒。
こちらが一番広いお宅。
ここで韓服を着て写真を撮ったら、まさに時代劇ドラマの世界そのもの。
しかも、ここ、セット場と違って、お部屋の中が見られるようになっているんです。
ここは家の主人のお部屋。
こちらは両班の奥様のお部屋。その当時のものではないと思うけれど、それらしき調度品が置かれていて、間近で見ることができます。
こちらは台所。
こちらにはわらじや今の雨がっぱみたいな雪よけ、石臼や糸巻き機(だったと思う)といった道具が飾られています。
家の外には醤油や味噌の甕が置かれています。
平日だったこともあり、観光客はほとんどおらず、こんな光景を独り占めしていると朝鮮時代にタイムスリップしたかのような気分になります。
これは本物の駕籠。
電柱とトイレマークがちょっと邪魔だけど、素敵な景色でしょう?
ガイドさんが教えてくれたフォトスポットがこちら。
最初に紹介した泉雨閣の後ろにNソウルタワー。過去と現在の融合って感じ?
ガイドさんは1軒1軒韓屋を案内しながら当時の調度品や農機具、オンドルの仕組みなどを丁寧に日本語で説明してくださって、とても興味深かったです。
母も年が近いガイドさんに時々質問したり、昔話に花を咲かせたりと、40分ぐらいの解説案内をとても楽しんでいました。
こんなに朝鮮時代を感じられる場所が明洞の隣にあったなんてビックリ。
私達はタクシーで行きましたが、地下鉄やバスでも行きやすいです。
地下鉄なら4号線の忠武路駅の4番出口から徒歩1分、バスも最寄りのバス停から徒歩2分。
どちらでも大通りにあるこちらの看板のところから
小道に入って行けばいいので迷うことはないはず。
ソウルで朝鮮時代の雰囲気をちょっと味わってみたい方、ここ、穴場です!
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