ソウルの5大王宮の1つ、徳寿宮 (トクスグン)。
地下鉄の市庁駅の前とアクセスが良いこともあり、ふと思い立って行ってみました。
入場料はたったの1,000ウォン。この大漢門の右横にある窓口で購入して入りました。
こちらが正殿の中和殿。
こちらは仁祖が即位式を行った即阼堂 (チュッチョダン) 。
昔御堂 (ソゴダン)
どれも古い建物に見えますが、元の建物は1904年に焼失してしまって、全て建て直されたものだそう。
徳寿宮は他の王宮と違って近代的な建物もあります。
こちらは石造殿 (ソッチョジョン)。現在は大韓帝国歴史館になっています。
ここは事前予約が必要らしく、ふらっと思いつきで行ったもので残念ながら中には入れず。
ですが、こちらの惇徳殿 (トンドッチョン) は自由に中が見学できます。
中に入れるようになったのは2023年9月かららしく、映像を使った展示もあり見やすかったです。
徳寿宮にはもう1つ、重明殿 (チュンミョンジョン) という建物があって、それだけ少し離れた場所にあります。
歩いて4分ぐらいのところだし、せっかくなので行ってみることにしました。
重明殿に向かって歩いていた時、途中で小さな扉の前に10人ぐらい人が列を作っているのを見かけました。
時刻は12時半前。
何のお店?と思って看板を見てみると、「南道食堂 (ナムドシッタン)」という名前が青字で、そして「チュオタン」という文字が赤で書かれていました。
ご覧のとおり、看板の背景は真っ白でデザインもへったくれもなし。
ぱっと見、食事処とは思えないぐらいのショボい外観 (失礼!)。
重明殿を拝観して
出てきたのが13時過ぎ。
お店の前にはさっき並んでいた人達とは別の4人が待っていました。
どう考えてもすごい人気店ですよね、これ?
たまたま前の日に「日本に帰る前にポッサム(ゆで豚)定食とチョングッチャン(納豆汁)とチュオタン(ドジョウ汁)は食べたいな」と思っていたそのチュオタンのお店が目の前にある・・・
立ち止まって考えている間に列の先頭の人が案内されて中に入って行きました。
次に待っている人はおひとり様のおじさんで間違いない。
・・・ってことは私も入れる!
と気づき、列に並びました。
帰国してから調べてみたら、このお店、創業50年以上の老舗のチュオタン専門店。
メニューがチュオタンしかなく、注文不要。
みんな食べたらさっさと出てくるので意外に回転が早く、私は10分ぐらいで席につくことができました。
もちろん、1人だと言ってもイヤな顔など全くされず。
そしてほとんど待つことなく、食事がお盆に載せられていっぺんに運ばれてきました。
お店は外も中もお世辞にもきれいとは言えませんが、お箸とスプーンは袋に入ったものを出してくれました。
衛生管理をしっかりしているお店だと好印象。
こちらのキムチはきゅうりも白菜もかなり唐辛子がきつくて、私はきゅうり1個でむせてしまいました。
でも、こちらの右側のしろ菜っぽいものは薄くて甘めの味噌ベースのお味で食べやすくって完食。
こちらが主役のチュオタン。
久しぶりに食べましたが、一口スープを飲んであまりのまろやかさにビックリ。
これこそむせるぐらいの胡椒または山椒の味を覚悟していたのに。
今まで何度かいろいろな地方のチュオタンを食べましたが、すべからく舌が麻痺するぐらいの香辛料辛さでした。
ですが、ここのは山椒は入っていなかったし、塩辛さも全くなく、ドジョウの形も臭みも全くありません。
こんなに食べやすいチュオタンは初めて!
中にはシレギ (乾燥した大根の葉) がたっぷりと、あとほんの少ししめじも入っていました。
山椒粉、黒胡椒、青唐辛子、赤唐辛子粉と調味料がこんなに提供されたのも初めてでしたが、スープを飲んだらその理由がわかりました。
普通の香辛料辛いチュオタンを食べ慣れている人にはこのセットが必要なのでしょう。
私は中身を確認するために手に取っただけで、どれも使いませんでした。
シレギがむっちゃ多かったので最初はお箸でシレギをある程度食べてしまい、そこにご飯を投入。
あとはスプーンで食べました。
ドジョウのすりつぶしたものは入っていましたが、ドジョウだとあえて意識して食べなかったら、まろやかなお味の美味しいスープ。
チュオタン、当然完食です。
わざわざ行かないといけない場所だし、よほど時間をずらさないとお店の前で待つことになりますが、ドジョウなんて、と今までチュオタンを敬遠してきた方でもここでならチュオタンデビューできると思います。
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