今から8年前、私が韓流にハマるきっかけになったのはドラマ「IRIS」、そしてその主演のイ・ビョンホンssiでした。ドラマの中でたまに見せた笑顔があまりにも自然すぎて演技だとわかっていても演技だとは思えず、こんなすごい俳優さんがいるんだといっぺんにファンになりました。その後いろいろなドラマや映画を見るようになり、好きな韓国俳優さんはたくさんできましたが、ビョンホンssiが不動のナンバーワンであることに変わりはありません。
ただ、ビョンホンssiは私がファンになって以降は映画にばかり出演してきたので、なかなか作品で会える機会はありませんでした。だから、昨年6月ビョンホンssiが「IRIS」以来9年ぶりにドラマに出演するというニュースを聞いた時、どれだけ嬉しかったか!!! 3ヶ月間も毎週見られるなんて! 夢みたい!!
普段ドラマはBSで放送されるのを待つので、本放送後早くて6ヶ月、下手したら1年以上経っていて、どんなに話題になったドラマでも私が見る頃にはもうすっかりブームは過ぎているのですが、ビョンホンssiのドラマを待つことなんてできない! 1年以上前からこのドラマ「ミスター・サンシャイン」だけはオンタイムで見ようと決めていました。
そして9月末に全24話が終了しました。7月から3ヶ月間、「ミスター・サンシャイン」に始まり、「ミスター・サンシャイン」で終わった夏でした。日本ではNetflixでしか放映されていないので、多分まだこのドラマを見ていない人はたくさんいると思います。なので、ネタバレはしません。しなくても書きたいことはたくさんあるし、正直なところ、このドラマのストーリーについてはあまり触れたくないという複雑な気持ちもあります。
まずあらすじを簡潔に言うと、奴婢の家に生まれた男の子が生き延びるためにアメリカに密航し、30年後の1902年アメリカ人軍人として朝鮮に赴任。日本軍による朝鮮侵略が進行する中で国を守ろうと立ち上がった名もなき義兵達を中心に、この元朝鮮人のアメリカ人が朝鮮で過ごした激動の数年間を描いた作品です。
メインキャストは5人。ビョンホンssi、キム・テリちゃん、ユ・ヨンソクさん、キム・ミンジョンさん、ピョン・ヨハン君。このキャストが発表された時点で顔と名前が一致していたのはビョンホンssiとピョン・ヨハン君だけでした。
キム・テリちゃんは映画「アガッシ (邦題:お嬢さん)」で新人賞を総なめにした女優さんだということは知っていました。ビョンホンssiと実年齢で20歳も違うにもかかわらず相手役に選ばれたのだからそれなりに実力のある女優さんなんだろうとは思いましたが、役柄上ビョンホンssiとロマンスがあることで妙なやっかみがあり、「どれだけできるか見てやろうじゃないのよ」と(おばさん、コワイ!)超上から目線で、ケチをつける気満々で見始めたのですが・・・。
最初から堂々とした演技でビョンホンssiのオーラに負けないぐらいのオーラを持っていました。芯の強い女性コ・エシンらしくきりっとした表情も見せれば、あどけない乙女の側面も見せ、優雅な貴婦人のような洋装をした時には思わず「キレイ・・・」とつぶやいてしまったぐらい。あっという間にファンになってしまいました! 私はぶりっ子な役もコケティッシュな役もでき、アクションシーンではかっこよくキメて、必要とあらば思いっきり変顔を画面いっぱいに見せてくれるチョン・ジヒョンさんが大好きなんですが、テリちゃん、チョン・ジヒョンさんレベルの大女優にそのうちなるんじゃないかと思うぐらい魅力的な女優さんです。
ユ・ヨンソクさんは結構あちこちのドラマに出演されている俳優さんなんですね。失礼ながら私は全く知りませんでした。現代もののドラマや映画に主に出演されているようで、スチール写真を2,3見ましたが、今回演じた、長髪で着物を着た浪人姿のク・ドンメのいでたちが一番ハマっていたように私は感じました。ドラマで主役よりも脇役の方に魅かれやすい私ですが、今回のドラマでは、ビョンホンssiがいなかったら間違いなくユ・ヨンソクさんにハマっていたと思います。憂いのある冷めた目つきで物事を常に卑屈に見ているけれど、心の中では1人の女性をひたすら愛し続けたク・ドンメというキャラクターを見事に演じきっていて素敵でした。
キム・ミンジョンさんも全く知らない女優さんでした。彼女が演じたのは、日本人の夫を亡くし莫大な遺産を基に漢城一のホテルを経営している女主人で、知恵と財力で時には大胆に、時には優雅に、時には色っぽく、男性優位だった難しい時代を生き抜いていこうとしている工藤ひなという女性でした。このキャラクター設定自体かなり欲張りな、難しい役柄だったと思うのですが、キム・ミンジョンさん、イメージにぴったりのかっこよさでした。
ピョン・ヨハン君は両班のお坊ちゃまで、人懐っこく憎めない人物、キム・ヒソン役でした。役柄的には彼が「ミセン-未生-」で演じた、空気が読めなくてちょっと困った奴だけど屈託のない笑顔に周りがつい許してしまうハン・ソンニュルを彷彿とさせるようなキャラクターで、こういう役をやらせたらこの人は天下一品ですよね。ドンメとビョンホンssi演じるユージン・チョイが偶然居酒屋で出くわし気まずい雰囲気で飲んでいる間にヒソンがのこのこ入り込んでいって盛り上がらない会話を一所懸命盛り上げようとするシーンが何回か出てくるのですが、
重くなりがちなこのドラマの中の数少ないクスッと笑わせてくれる場面で、この3人のブロマンスが大好きでした。
そしてそして最後になりましたが、身分の低い奴婢として生まれ9歳で親を亡くし命を狙われ、祖国を捨てアメリカ人として生きてきた軍人、主人公のユージン・チョイを演じたのがビョンホンssiです。人生のほとんどをアメリカで生きてきたという設定上英語はネイティブレベルでなければならず、この設定だけでも制作側がワールドスター、ビョンホンssiを主人公に望んだ理由がわかるっていうものです。
俳優さんによってはファンが喜びそうな作品を選んで出演する人もいますが、ビョンホンssiは自分が挑戦したい役柄の作品に出演するというポリシーを持ち続けている人で、役者として殺人鬼やヤクザ、悪徳企業家といった自分とは縁のないタイプの人間を演じてみたいという気持ちはわかりますが、ファンとしてはあまり見たい姿ではなかったりするんですよね。だから正直なところ、私はビョンホンssiの出演映画はあまり好きではないものが多いんです。ただ、興行的な成功を安易に追い求めたりせず自分の信念を曲げることなく、表現者としての自分の可能性を常に追求し続けているビョンホンssiの姿勢が私は大好きで、これが私が彼のファンをやめられない理由です。
とは言っても、あの甘いマスクと声で恋愛ものをやってくれたらどんなにいいだろうというミーハーな気持ちがあるのも事実で。そういう意味では、今回のドラマは恋愛ものではないけれど、私が見てみたかった素朴な笑顔とか切ないまなざしとか軍服でバシッとキマった姿とか、そういう姿が見られたので、ビョンホンssiが今まで演じた役柄という点では私にとって最高の作品になりました。
ビョンホンssiについてはなんだかミーハーな書き方になってしまいましたが、このドラマでのビョンホンssiの繊細な演技は、ビョンホンssiのファンではない韓国の一般視聴者も絶賛していました。韓国の方には言葉の意味はもちろん、抑揚やその時の表情、たたずまいが瞬時に伝わっていたわけで、ビョンホンssiの伝える力は本当にすごいんだと改めて思いました。私ももちろん一瞬も見逃さないように毎回1時間以上耳を集中し画面を凝視し続けていましたが、やはり外国人だし言葉の壁もあるので、どんなに頑張っても完璧には理解できないですからね。
あっ、人物紹介だけでこんなに書いてしまった・・・・・。普通のドラマだと5人登場人物がいれば、誰か1人ぐらいイマイチな人がいたりするじゃないですか。でもこのドラマではメインの5人全員がそれぞれのキャラクターになりきって素晴らしい演技をされていました。それを言いたかったんです。
まだまだ書きたいことはいっぱいあるのですが、続きは次回に。
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