長い間「待機ドラマリスト」に入っていた2017年の歴史ドラマ「君主ー仮面の主人 (邦題:仮面の王イ・ソン)」をやっと見ることができました。
このドラマを見たかった理由はなんといってもホ・ジュノさんが出演されていたから。この方がホ・ジュノさん。
最初にこの俳優さんを知ったのはビョンホンssiの初期の作品「アスファルトの男」だったのですが、その後「朱蒙」でチュモンのお父さん、ヘモス役をされていた時のこの方のハンパない演技力とオーラに圧倒されて、この方の出演作品はとにかく見ると決めたにもかかわらず、その後なぜかドラマに全く出演されなくなっていたんです。
それがたまたまこの「仮面の王イ・ソン」の韓国での放映時に渡韓していて、テレビをつけたらホ・ジュノさんの懐かしい顔が出てきてビックリ。10年ぶりにドラマ復帰されたと後から知り、これは見なきゃと思って。
このドラマ、ストーリーは朝鮮時代の架空の時代、飲み始めたらずっと飲み続けないと死んでしまうという麻薬のような薬を闇の組織が製造、使用し、国王や朝廷を牛耳っているところに世子が立ちはだかり、悪の組織と戦っていくという話で、最初から善と悪という対立構造が超はっきりしていたこともあり、よく言えばわかりやすい、悪く言えば割と単純なストーリーでした。
でも、このドラマ、ストーリーに現実味も新鮮味もなかったのに、最後まで見飽きることがありませんでした。なぜかって? それは出演していた俳優さん達が実力者揃いだったからだと思います。最初に挙げたホ・ジュノさんは闇の組織のドンの役だったのですが、存在感、重厚感がバツグンで、冷徹な悪者だったにもかかわらずずっと見惚れていました💗
主役の世子イ・ソンは、子役出身でまだ20代にもかかわらず既に実力俳優のユ・スンホ君。
スンホ君を初めて見たのはドラマ「大王四神記」。あの時はまだ14歳であどけない顔をした少年だったのに、いつの間にか大人の色気をまとった青年になっていて、ここまで「麗しく」成長する子役ってなかなかいないんじゃないかしら。ちょっと垂れ目で優しい顔立ちをしていますが、普段より少し低めの発声で堂々とした貫禄ある世子として違和感は全くありませんでした。
相手役はこれまた子役出身のキム・ソヒョンちゃん。
「太陽を抱く月」でキム・ユジョンちゃんのライバル役で出ていた時はこんなに幼かったのに
まあ、きれいになったこと✨「トッケビ」でコン・ユさん演じる高麗時代の武将キム・シンの妹、キム・ソンを見て、
清楚で凛とした姿に「このきれいな女優さん、誰?」と思ったら、それがこのキム・ユジョンちゃんの隣に映っている女の子だとわかった時の衝撃と言ったら😲😲😲
そんなわけで、この「仮面の王イ・ソン」ではすぐにソヒョンちゃんだとわかりましたが、この時でもまだ10代。でもすごいオーラ。その後も「ノクドゥ伝」や現在NHK BSプレミアムで放映中の「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」で既に主演女優となっていますが、このドラマでも気品のある両班の娘役を好演していました。
他にも「トッケビ」の最大の敵、パク・ジュンホンや「ミスター・サンシャイン」のイルシク役でおなじみのキム・ビョンチョルさんや
「奇皇后」のスンニャンの父や「客主」の松坡馬房の主人役をしていたキム・ミョンスさんや
良悪両方の役をこなすチョン・ノミンさん、
あくの強い役ならお任せのイ・ジェヨンさんや
パク・チョルミンさん、
気性の激しい役をしたら迫力満点のキム・ソンギョンさんなど
数え出したらきりがないぐらい演技派ベテラン俳優さんが次々と出てきて、インパクト抜群の演技をバンバン見せてくれます。普段歴史ドラマを見慣れている人なら、こんなにすごい俳優さん達をドラマでよく揃えたな、と驚くこと間違いなし。そういう意味でこのドラマ、ものすごく「豪華」なんです。
でも、そんな老若ベテラン俳優さん勢ぞろいの中でも目立っていたのが「仮面の王」を演じたINFINITEのエルことキム・ミョンス君。
私はK-POPにはうとくてミョンス君のことはこのドラマまで全く知らなくて。
この顔を見た時、若い時のチソンさんにちょっと似てるなって思いました。彼が演じたイソンという偽物の王様は、賤民なのに王様に成りすましているうちにどんどん欲深くなっていくという決してきれいな役ではないのですが、こんなかわいい顔をしてアイドルをやっているとは思えないぐらいものすごい気迫で演じていました。もし「このドラマの最優秀演技賞は誰?」と聞かれたら、私は間違いなくキム・ミョンス君を選びます。
何度か書いていますが、私は王子様役ばっかりしているアイドルみたいな俳優さんって好きじゃないし、ちっとも魅力を感じないんです。反対に、きれいな顔をぐちゃぐちゃにして感情むき出しで演じている俳優さんって本物だなって思います。そういう意味で、ミョンス君の演技は衝撃的でした。また1人すごい人を見つけちゃったって感じ🙂 現在入隊中のようですが、今後要チェックな俳優さんがまた一人増えました🤗
このドラマで1つ納得できない点は、邦題のつけ方。韓国ドラマや映画では確かに原題の直訳では意味がわかりにくいものがあるのは確かです。が、このドラマの原題は「君主ー仮面の主人」。ドラマの中では「君主」という単語も出てきていたし、「君主とはどうあるべきか?」「どんな信念を持って国を治めていくべきか?」といったこともこのドラマのテーマの1つだったような気がします。
それだけに、邦題でキーワードの「君主」が抜けてしまったのは残念だし、「イ・ソン」と「イソン」、2つの名前から展開が簡単に想像できてしまって、見る前からネタバレしまくりですよね? そういう意味ではドラマのタイトルとしてはちょっと説明しすぎかなと思いました。原題の「君主ー仮面の主人」のままの方がドラマのテーマや内容のニュアンスを含んでいるし、ドラマの内容に対する想像力もかきたてられたような気がするのですが・・・。
もう1つ、このドラマを見ていて自分の「嗜好」に気づかされました。それは、どうやら私は「護衛武士」がタイプだということ🤭 私、「太陽を抱く月」でも王の護衛だったウン役のソン・ジェリム君にハマりまくっていたのですが、今回もまた護衛武士のチョンウン役のシン・ヒョンスさんに一番ハマっていたんです。初めて見た俳優さんだったのに。
「六龍が飛ぶ」でもイ・バンウォンの護衛をしていたユン・ギュンサン君がものすごくかっこよく見えたし、ってことは、私、俳優さんというより「護衛武士」フェチなような気がしてきて😛 王様をお守りするという信念を何があっても守ろうとする、その姿に魅かれてしまうようです💕
最初に書いたように、このドラマは架空の時代だし設定にもちょっと無理があるし、内容的にはそれほど面白味がない分を俳優さん達の説得力のある演技で十二分にカバーしてくれて見応えのあるドラマになっているので、歴史ドラマファンの方には一度見てみることをオススメします。特に最終回のホ・ジュノさんのラストシーンは必見です。わがまま採点は
点。
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